Podcast番組『taaaaarpで、話そう』#18を配信しました。

共創への入り口は、「AOYAMAVISIONを実現したい」「青山学院が好き」でなくてもいいのかもしれません。 むしろ、今自分の手の中にある「何か」を、誰かと一緒に試してみたい——。 そんな姿勢を持つ人たちが集まるコミュニティを、どうやってつくっていくのか。 今回はその問いに、たーっぷりと向き合いました。

今回のテーマ
「こんな人たちと共創したい」
~必ずしも“青学LOVE!”じゃなくてもいいんじゃない?~

 

【センター近況報告】

共創空間「PYNT」を訪問してきました

今回の収録前、パーソナリティのふたりは、株式会社日建設計が運営する共創空間「PYNT(ピント)」の吉備友理恵さんを訪問しました。WORKMILL岡本栄理さんから紹介いただい縁がきっかけです。

空間に足を踏み入れて、まず圧倒されたと言います。

PYNTがていねいに実践していたのは、「可視化」と「関わりしろをつくること」でした。

  • 開発チームが取り組む進行中のプロジェクトをそのまま見せる展示コーナー
  • 新たに開発したジョイントという部品を並べ、「あなたならこれを何に使いますか?」 と問いかけるブース
  • メンバーひとりひとりが幅50センチくらいの書棚に自分の本を並べ、貸し出しもできるパーソナル本棚

完成品ではなく「今、ここまでやっています」という進行形を見せることで、関わりたい人が自然と引き寄せられてくる。そんな設計がそこにはありました。

さらに印象的だったのは、PYNT立ち上げ前の話です。空間をオープンする前の1〜2年、吉備さんたちがやっていたのは「社員の1枚レポートを社内ポータルに上げ続けること」でした。この人はこんなことをやっています、こんなことに関心を持っています——。そうやって丹念に社内の人のことを知ることから始めた。

その積み重ねがあるからこそ、5年後の今、人が関わり続けるコミュニティの素地ができている。

「我々はまだ、巻き込みたい人のことを十分に知りに行けていないな」——そんな気づきと反省を持って、ふたりは帰ってきました。

なお、吉備さんはこのポッドキャストにゲストとして出てみたい!とおっしゃっていたとのこと。ぜひ近いうちに実現させたいと思います。


【主な話題】

① なぜ、コミュニティが必要なのか

今回の本題は「2026年度はコミュニティづくりが鍵になる」という問題意識から出発しています。

未来共創センターが目指しているのは、青山学院に「共創的な文化・風土」を根付かせることです。そのためには、ビジョンに向かって一緒に動いてくれるメンバーを、少しずつ、でも着実に増やしていく必要がある。

ただし、これは業務命令で集めるものではありません。「これ、関わりたい」と思う人が自発的に集まってくる状態を目指しています。

そのような場をどう設計するのか——今回はその核心に迫る対話となりました。


② 「青学LOVE!」な人だけが集まっても、それでいいのか

内田さんが、正直な反省を語りました。

これまでのセッションに集まってくれる方は、とても熱心で、青山学院への思いが強い方が多い。それは本当にありがたいことです。

ただ、「青山学院が大好き!」という気持ちだけを接着剤にしたコミュニティになっていくと、もしかしたら未来共創センターが目指しているような場にはならないかもしれない——。

実は、PYNTで目にした光景がそのヒントになりました。あの空間では、開発チームの「今やっていること」が可視化されていた。技術や取り組みの「種」を持っている人が混ざり合うことで、想定外のつながりや発見が生まれていた。

それと同じように、共創コミュニティにも「種を持っている人」が参加してくれないと、何かが起きにくいのではないか。そう気づいたのです。


③ 「種」を持っている人、という見方

では、「種を持っている人」とは、どんな人でしょうか?

自分がそう自覚しているかどうかは、関係ないかもしれません。

大学で研究に取り組んでいる先生、小学校や幼稚園の現場で「こんなことをやってみたい」と思っている先生、職員として日々の業務の中でひそかに「もっとこうできないか」と感じている人——。

そういった人たちの中に、AOYAMA VISIONの実現につながる何かが、すでに宿っているかもしれない。それを、本人が「これがビジョンにつながるとは思っていない」としても。

種を持つ人だけでなく、「その種を発芽させたい」「水や栄養の役割を担いたい」という人も、コミュニティには欠かせません。いろんな役割の人が混ざり合うことで、何かが育っていく——そんなイメージが対話の中でゆっくりと形をとり始めました。


④ 「困っている人」こそ、コミュニティの核になるかもしれない

前向きな種だけが、コミュニティに必要なわけではないようです。

「変化を起こそうとしたら、周囲から抵抗を受けた」「自分のやり方を試してみたいのに、うまく伝わらない」「他の職場から入ってきたら、文化の違いに戸惑ってしまった」——。

そんな困りごとを抱えている人も、実は重要な核になるのではないかという話が生まれました。

困っているということは、何かを動かそうとしているということでもある。その人が今感じている「詰まり」は、対話をすることで、見え方が変わるかもしれない。誰かとつながることで、思わぬ出口が見えてくることもある。

そうした人がコミュニティに来てくれたら、何かが変わるかもしれない——と、ふたりは話しました。


⑤ 2026年度の向かい先:「面白い人を見つけに行く」

では、2026年度、何をしていくのか。

答えはシンプルでした。「面白い人を見つけて、仲良くなること」。

ここで言う「面白い人」とは、有名な人や目立つ人のことではありません。自分なりに何かを試みている人、静かな課題感を持っている人、ちょっとだけ変えてみようとしている人——そういった人たちが、青山学院のさまざまな現場にいるはずです。

「AOYAMA VISIONに近づくために○○してほしい」という入口からではなく、まず個人に目を向けて、その人の面白さを丁寧に知りに行く。そうして集まった人たちが揃ったとき、はじめて「この人たちだったら、どんな可能性があるだろう?」と問い直す——そのような順番に、考え方を切り替えていこうという気持ちが、ふたりの言葉から伝わってきました。


【今回のエピソードを聴いて】

「共創への熱量」がなくてもいい、「青学愛」の大きさが条件ではない——今回の対話が投げかけるのは、そんな問いかもしれません。

むしろ、日々の仕事の中で何かに引っかかっている人、誰かに話してみたいと思っていることがある人、うまく言葉にならないけれど「違うかもしれない」という感覚を持っている人——そういった人たちこそが、これから生まれていくコミュニティの入口になるのではないでしょうか。

あなたの中にある「種」は、どんな形をしていますか?

ぜひ、お聴きください。


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